デンマーク小屋をモチーフにしたピーターソン邸 in コロラド州中部
米国コロラド州中央部の避暑地に建てられた、デンマークスタイルのダブテイルログハウス
Peterson Cabin – Central, CO
コロラド州中央部に建てられた「延床面積777平米の3階建てのピーターソン邸」は、17.4ヘクタールのプライベートな森林地に建つデンマークキャビンを彷彿させるデザインのダブテイルログハウスとなっています。
この家のオーナーで設計士でもあるカーク・ピータソン氏は、「門扉からエントリーウェイまでは、このキャビンを魅せるのにとって重要なポインでした。家を目にする前に誰もが通る道なので、そこから見える景観が与える印象によって、残りの部分であるキャビンの雰囲気やウェルカム的な親しみやすさが定められます」と、家までのランドスケープについてこだわりを語ってくれました。
家に中に入るとまず一番初めに目を引かれるのが、3階分の高さの天井まで石積みされた煙突が付いた大きな暖炉。その煙突の石壁には、バッファローのトロフィーが飾られています。
暖炉の隣には、レストアされたアンティークヒーターであるGlenwoodが設置されています。Glenwoodは、アメリカ初期の家庭用調理機器メーカーで、こちらは石炭を使って部屋を暖めるヒーターとなります。
家の中から見える玄関ドア越しの景色も美しく、素朴で寂れた雰囲気を出すために、そこから見える枯れた木なども、そのままの状態にされています。
キャビンには、多くのオープンスペースなエリアが設けられていますが、ダイニングエリアだけは意図的に小さめにデザインされています。その狙いとしては、ピーターソン家族とその友人達が、1日の終わりに親密に一緒に過ごせる機会の場を設けるためとの事。
2階の広いロフトエリア(ファミリールーム)からは、イースタンホワイトパインの大径材を使ったむき出しのトラス梁を間近に見ることが出来ます。その存在感が醸し出す重厚で迫力ある雰囲気の中、読書やチェスなどをしながら贅沢な時間を過ごせる、そんな家族の憩いの空間となっています。
このファミリールームにも、多くのデンマークの影響を受けたデザインが取り込まれています。バニスター付き階段、家具、そして装飾スタイルなど、カーク氏がデンマークに当時住んでいた時に培ったデザインが反映されています。
カーク氏によると、「1983年に留学生としてコペンハーゲン大学で設計プログラムを勉強していた時、ホームステイ先のデンマーク一家が所有していた海岸沿いに建つ古い茅葺き屋根の小屋が、このピーターソン邸のデザインに多く取り込まれている」との事。
デザイン当初は、素朴で小さな小屋を予定していたそうで、「家族の要望などを取り入れるうち、小屋とは呼べない大きさになってしまった」とカーク氏は言います。
又、「感謝祭をはじめとするほとんどの祝日をいつもキャビンで過ごしています。家族の長く続く思い出を作るのには、最適な場所になりました」と嬉しそうに語ってくれました。
ピーターソン邸は、米国のログハウスマガジン「Log Home Living」の2008年6月号に掲載されました。